入浴・排泄・食事に関する尊厳

介護現場で働く人にとって、介護を受ける側の介護施設利用者への配慮を行う事は、仕事をする上で最も大切な事である。介護の内容により配慮しなければならない点に違いがあるため、そのことを重々承知した上で介護を行わなければならない。
介護現場で特に配慮が必要なシーンは、入浴、排泄、食事などであり、介護度や個人に合わせた介助をすれば尊厳を保つ事が出来るだろう。

入浴は、裸になる事で性器や上半身を介護職員や他の高齢者に見せてしまう事があるが、他の高齢者が着替えを見ないように羞恥心対策でカーテンで覆ったり、同じ性別の介護職員が高齢者の洗髪や身体の洗浄をするといった配慮が必要だ。
排泄は、最も尊厳に気を付けるべき介助で、高齢者の尊厳を傷つけないためには、ただ単に流れ作業で清拭や陰部洗浄をするのではなく、コミュニケーションを積極的に図る事が理想的である。それに加えて、不快な臭いを残さないためにも、短時間且つ丁寧に作業をする事も求められるので、手際良く終えられるように日々トレーニングをしておく事が重要だ。
食事はゆったり味わうことが尊厳の維持に繋がる。しかしただ時間を掛けて介助すれば良いというわけではない。咀嚼スピードを把握し、その上でベストなタイミングで食事を口元に運ばなければならないのだ。更に、食事は会話をしながらだと美味しさが増すので、その日に起きた身近な出来事やニュース、食事で提供されている旬の食材などを話題にすると話が盛り上がるだろう。