[なまこ]
日本各地の沿岸にすみ、全長20〜30センチに達する。
寒くなると、新潟でもクロナマコやアカナマコが取れ始める。ナマコは体色によって区別され、アカナマコ、クロナマコ、アオナマコなどの種類がある。関西ではアカナマコが美味とされ、市場でもクロやアオナマコより高値がつく。旬は晩秋から翌年2月頃まで。
こりこりした歯ごたえのある肉だが、水分は90%以上で、主成分のタンパク質も4%にもならず、質的にひじょうに特殊なものである。このため、栄養価はほとんど期待できず、どちらかといえば、三杯酢などで弾力ある食感を楽しむ嗜好(しこう)品である。
こりこりした歯ざわりが身上だけに、いきの良いものを選ぶことが大切。いぼが隆起し、肉質が締まっているものが上物。表皮が溶けかかっているものや、いぼがくずれているものは鮮度が落ちている。
「このこ」とは、ナマコの卵巣のことで、オレンジ色をした細い糸状の集まり。これをよく洗い、三味線のバチのような形にまとめて日陰干ししたものを「くちこ」という。寒風で干す能登産が有名。また、腸管の塩辛を「このわた」といい、好酒家が酒の肴として珍重する。「からすみ」(ボラの卵巣)、「うるか」(アユの卵巣)とともに天下の三珍といわれている。
かならず生きているものを使うこと。
磯の香りが強いので、大根おろしといっしょにだいだいの汁を入れた三杯酢であえる。
手の脂肪がつくと表面がとろけて早くいたむので、なるべく早く調理して三杯酢に浸してしまうとよい。

◆下ごしらえ
(1) 両端を落とし、腹(さわって柔らかいところ)を切り開く。
(2) 切り目からわた(このわた)を取り出す。
(3) 腹の内膜を布巾でこすり取る。
(4) まな板の上のナマコにたっぷりの塩をふり、ざるをかぶせ、ぬめりが取れ、身がしまってくるまでざるを左右にふる。
(5) 水洗いする。
(6) 小口からごく薄切りにする。
(7) 三杯酢(酢大さじ1、砂糖大さじ1/2、塩少量、醤油小さじ1)三杯酢に漬け出来あがり。